ファッションビジネスにとっても、知的財産権は「攻める」べき存在であり、これにより大きな「価値」を生み出すことが企業基盤になるという考えに立つことが重要だ。
ファッションという言葉は普通、日本語では「流行、はやり、服装」などと訳されているが、ファッション業界ではもう少し専門的で、広義な使い方をしている。
現在、ファッション業界で受け入れ、またはそれに従う衣服のスタイルの変化の過程の一連ということになる。
さらに広義に考えれば、生活のスタイルもファッションに含まれよう。
すでにファッションは、衣服や服飾品だけでなく、食べることや、住むこと、遊ぶことなど生活のすべてに広がっている。
「流行のスタイル」にとどまらず、「生き方のスタイル」や「生活のスタイル」まで含むようになっている。
人間の生きざまがファッションそのものになってくる。
この考え方に立てば、アパレルはもちろん、食べることも、住むことも、旅することも、遊ぶことも、すべてファッションである。
流行がつくられる場所はたくさんある。
その筆頭がデザイナーコレクションと呼ばれるシーズンごとのファッションショーだろ。
年2回、春夏物と秋冬物に分けて行なわれるパリ、ミラノ、東京、ロンドン、ニューヨーク。
最近ではそれにスペインのマドリードやバルセロナ、ドイツのミュンヘン、デュッセルドルフ、ベルリン、韓国のソウル、ポルトガルのリスボンなどでもコレクションが開かれるようになっており、そこに登場するデザイナーは世界で役」振がしきりといわれるようになった最近でも、なお強い影響力をもっている。
これと並ぶ流行発信地は街やストリート、ショップであったり、タレントの衣装、小説の主人公の姿であったりする。
戦後まもなく流行した映画「君の名は」の主人公真知子の頭を包んだバーンスタイル=B
1950年代に流行したマンボダンスが広げたマンボスタイル″。
石原慎太郎の小説『太陽の季節』が火を付けたサングラスにアロハシャツの太陽族スタイル≠ネどなど。
ソフトに変化させたもの。
トラッド特有のルールが緩和され、シルエットも比較的ゆったり。
現在のトラッド・ファッションの主流となっている。
さらに、ボディコン、キレカジ、ハリカジ(フレンチカジュアル)に至るまで、映画やストリートはたくさんの流行を生み、スタイルを育ててきた。
ファッションの多様化、個性化がいわれ始めたのが1970年代の半ば。
パリでのデザイナーコレクションが盛んになってきた頃のことだし、それまでは、パリのファッション企画会社やテキスタイル会社がつくり出したシーズントレンド(スタイル、色、柄、素材)を、日本の化合繊メーカーや紡績会社が情報として取り入れ、アパレルメーカーや大手百貨店を中心にした売り場に流して流行を操作していた。
1950年代末のシャーベットトーン人気、1960年代初めのマニッシュスタイル、クレージュの幾何学ラインなどはみんな、情報として上から下へ流された流行だった。
当時はそうした上から下へ流される流行が街でもかなりの広がりをみせていた。
そうした、いわば上意下達の流行現象がゆらぎ始めたのが、1960年代後半から1970年代初頭。
そのころミニかマキシかで揺れたスカート丈論争が華やかにマスコミでも喧伝された。
メーカーや大型店がキャンペーンをはったミディ、マキシ(ロング)スカートが振るわず、おしゃれな消費者がミニスカートを脱ぎ捨てなかったことを、当時のマスコミは「笛吹けど(女性は)踊らず」と、業者(メーカー)による上意にl達型流行操作の失敗を書き立てたものだ。
消費の個性化、ライフスタイルの多様化がいわれ始めたのがその直後、1970年代後半に入ってからだった。
そして(企業によって)つくられる流行から(消費者が自ら)つくり出す流行へと、本格的なコンシューマーズトレンドの時代を迎えることになる。
デザイナーブランドは年2回、最新モードを世界のジャーナリスト、バイヤーに向けて発表する。
その代表がパリで行なわれるファッションショー、パリ・コレクションである。
パリ・コレクションは、1月と7月のオートクチュール、3月と10月のレディス・プレタポルテ、1月と7月に行なわれるメンズの3つがあるが、通常アパレル業界でパリ・コレク、ンヨンという場合は、レディス・プレタポルテコレクションを指す。
近年、デザイナーコレクションはパリだけでなく、世界の各都市でも盛んに行なわれるようになった。
パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京の5大コレクションに加え、マドリードやシドニー、ソウル、サンパウロなど、世界の各都市で発表されるコレクションは300を数える。
ミラノ・コレクションは、フィエラ見本市会場を中心に約100ブランドのコレクションが発表される。
開催時期はパリ・コレクションの直前で、運営するのはイタリアモード協会。
1980年代中頃から、ミラノ・コレクションとパリ・コレクションの期間に前後してコレクションが行なわれるようになったロンドン・コレクションは約80ブランドが参加する。
ラルフローレン、ダナ・キャランら人気デザイナーが活躍するニューヨーク。
最近ではニューヨーク・コレクションを、ヨーロッパのコレクションの前に開催している。
1990年代に入ってからは新人の活躍も目立ち、新しいニューヨークをアピールしている。
そして東京。
東京ファッションデザイナー協議会(C下D)が発足し、東京コレクションが始まったのは1985年。
2週間にわたって約70ブランドのコレクションが発表される。
1980年代にはニューヨーク、ミラノ、あるいはロンドンなどの都市が世界のファッションをリードしたことがあったっしかしいま、再びパリ・コレクションが世界のファッションの中心になろうとしている。
外国から参加するデザイナーも年々増える傾向にあるパリ・コレクションは、インターナショナルコレクションとしての地位を固めつつある。
パリやミラノなど世界の5都市で年2回行なわれるデザイナーコレクション。
最新モードの発表の場であり、ファッション界で最も華やかな舞台である。
この晴れの日を迎えるまで、ほぼ半年が費やされる。
その最初の一歩が、思い描く服にぴったりの生地を選ぶことだ。
どんなに有名なデザイナーでも、糸や織物を自分自身でつくることはない。
糸や生地、ボタンなど、服を構成するさまざまなパーツは、専門のメーカーから買う必要がある。
より幅広い選択肢のなかから良質で新鮮なパーツを探し、希望に沿って改良を頼むのは重要な作業だ。
この仕事を効率化するために、欧州で発達したのが素材の見本市である。
最も有名で、多くのデザイナーが訪れるのは、パリのプルミュール・ヴィジョン。
1973年にフランス第2の都市、リヨンの絹織物業者15社が最新の織物″をもち込んで始めた。
売業者のほか、まったくの他産業からも情報収集の場として一目置かれる存在である。
婦人服地だけでなく、スポーツやベビー・子供服、インナーなど、ありとあらゆる素材が一堂に会して新作を発表、どの分野のデザイナーにとってもシーズンのスタートラインに位置付けられる場になっている。
同じような総合力をもっているのがミラノのモーダイン。
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